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漫画紹介 水上悟志「スピリットサークル」「戦国妖狐」

どうも、黒です。
今回は、本日同時発売の水上悟志「スピリットサークル」1巻と「戦国妖狐」10巻を同時に紹介したいと思います。

まず、「スピリットサークル」。
作者曰く、スピリチュアル転生系中二漫画。まあこれだけだと何のことやらなので、軽くあらすじを。


ある日、中学二年生の主人公のもとに額に傷のある少女が転校してくるのだが、その少女と主人公の間には前世での因縁があり、そしてそのために少女は主人公を(何故か)怨んでいる。その事を最初は忘れている主人公だが、少女の持つ「スピリットサークル」という謎のアイテムによって前世の記憶を少しずつ取り戻していく。そうして記憶の再取得を繰り返し、そして更に前世と今世、過去、現在、未来が複雑に絡み合いながら中心となる一本の糸を形成していく……。


まだ1巻なので後半は多少予想も混じってますが、概ねこんな認識でよいのではないかと。
個人的には手塚治虫「火の鳥」の太陽編をちょっとだけ彷彿とされられるような感じでした。


話の骨格がいまいち見えてきませんが、「惑星のさみだれ」や次に紹介する「戦国妖狐」も1巻の時点では割とそんな感じなので、今の時点ではストーリーに関しては断定的な評価をすることは出来ないです。まだピンとこないようでも少なくとも3巻位までは様子を見た方がいいかもしれません。

一方で、登場人物たちの心情描写や行動原理、登場人物の哲学などに関してはいつもの水上節(?)が炸裂していますので、水上先生の「一周回って中二病!」「一周回ってド直球」といったようなスタンスが好きな方であれば安心して読むことの出来る作品だと。


気になった方はチェックしてみて下さい

次、「戦国妖狐」。

これは、あらすじが大分ネタバレになってしまうので、読もうと思っている方はあらすじはとばして下さい。


以下簡単なあらすじ

今回発売された10巻は第3部にあたる……と思います。
1~6巻が第1部
7~9巻が第2部
それで、10巻が第3部(第2部にしてもいいかもしれない)です。

現在の展開を簡潔に説明すると、
第1部の主人公がラスボス化したから、第1部で子供だった敵が、第2部では色々あって主人公になって、成長して、ラスボスをどうにかしようとしている……。そんな感じです。


あらすじ終わり


この漫画の大きなテーマの一つに、これは「惑星のさみだれ」とも重複しますが、師から弟子へ、あるいは年長者から年少者へと受け継がれていく意思、といったような物があると思うのですが、ここ数巻での展開は、正にそれをよく体現していて徐々に面白いものになってきています。多少冗長に感じられた第1部の展開が非常に惜しいです。もう少しテンポよくストーリーを展開していれば……との思いは拭いきれません。とはいえ、少年漫画的なノリを残しつつも、上で挙げたようなテーマ性を持つ漫画は比較的貴重なもののように思われるので、今の雰囲気を維持しつつ上手いこと風呂敷を畳んでまとめてほしい漫画です。


また、この漫画の1~9巻時点でのレビューがTMRの会誌第69号に載っておりますので、よろしければそちらもよろしくお願いします。


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2012年12月10日 23:49に投稿されたエントリーのページです。

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